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イタリア・レポート
<報告者>(有)エヌ・エヌ・エー・テンダーサービス 佐藤 元相
■中堅カバンメーカー「i santi」社の戦略

2002年11月4日月曜日 午前9時 ミラノ市内  i santi社(イサンティー)を訪問した。
この企業、イタリアでは中堅クラスのブランド カバンメーカーである。
従業員規模はおよそ100人、内訳は製造に33名 営業に33名 販売に33名が担当している
売上高1300万ユーロ(約16億円)/年

面談を引き受けてくれたのは会長のamato santiさんである。
会社の沿革から現在の会社の状況まで具体的にお話をしていただいた。

たくさんの人が日本から来てくれたのですねぇ・・
大変光栄に想います。では会社の沿革からお話をしていきましょう。

創業は1947年、戦前 両親は靴の修理業を営んでいました。
私や兄弟は両親の仕事を手伝いながらモノ作りに携わってきたのです。
そういったところからみても歴史のある中小企業ではないかと想っています。
戦後、モノの無い時代にこの仕事を始めたのですが、あの頃はとにかく何でも売れましたよ(笑)
クリエイティブな事に価値を見いだす国としてイタリアは発展してきました。
特にファッションの発展と共にi santi社の売上げも伸びてきたのです。

成功の要因はクリエイティブな仕事が私にとって最も得意なことであったのと、妻や兄弟とも協力しあってきたこと、つまり家族経営であったことでしょうね。特に家族経営のメリットとしてあげられるのは2つあると想います。
まず、会社の重要任務を家族が分担することで管理コストが削減できること、そしてなによりいい仕事をしている満足感や達成感を共有することができることです。

 
◇ 会社の方針について
私たちはモノ作りをするにあたり最も大切にしているのは、高品質の原材料を選ぶことであります。
そうすることで競争力のある価値や価格を維持させることができるのです。
また、付加価値を維持するために無用な広告宣伝は行いません。
常に高品質なものをお客様に提案していくことが私たちの使命なのです。

◇ ものづくりについて
ミラノ市内にあるこのビルは本社機能を持たせていますが、
1Fは試作品を作るための拠点としても利用しています。
また市内に4〜10人程度の規模の縫製職人工場ネットワークを8社ほど確保しており、
原材料の加工などは郊外のトスカナ・モンティカティーニの工場で集中的に生産しています。
 
◇ マーケットについて
i santi社の製品レンジ(価格帯)は2つを設定しています。
アメリカ向けは低価格商品が売れており、欧州向けは高価格商品がよく売れています。
欧州では地域によって特徴がよく表れています。
ファッション性のある商品はフランスがとてもいいマーケットとなっており、クラシック性のある商品は北欧が敏感に反応しますね。
またこれから将来性のあるマーケットとして注意しているのは東ヨーロッパとロシア、中国のエリート層にも大変興味があります。
 
◇ 日本については?
将来、ファッション性の部分で重要なマーケットになっていくだろう
しかし多くの日本人はプラダやグッチなどブランド名に流されやすく、本来の商品の品質を観る目が弱い様に想われます。 そういった意味で時間のかかるマーケットでしょうね(笑)
 
◇ ブランド戦略について
国内消費者だけでなく海外の旅行者の人たちにもi santi社の商品を知ってもらうこと、そこに集中的に展開しています。
例えば空港や駅のショップです。
ヨーロッパの主要な空港、 メインとなる駅のショップに出店しています。
多くの外国人の目に触れることでi santi社の名前を脳裏に焼き付けてしまう。
我が社の商品はその様な展開でブランドになるよう工夫しています。
 
◇ 現状の景気について

イタリアのモノ作りも大変苦戦しているのは事実です。
インドや中国などの発展途上国で製造されたカバンがイタリア国内にも入ってきており、量と価格で攻めてきている。

EUの統合で市場は一気にグローバル化した。
ブランドバリューのないメーカーは今後苦戦が予想される。その結果大企業と協力関係を構築する中小企業や合併する企業などもふえてくるだろう。
また、市場だけではなく政府の施策もEU統合の結果、イタリア国内の中小企業だけを援助していくのはやりにくいだろう。

中小企業の我々にとって今後益々の競争激化が予想されます。
我々の会社も例外ではありません、ここ数年 利益率も減少しています。

そんな環境の中、i santi社は、創造的なファッション性と品質で勝ち残る。
それには職人を活用したこだわりのモノ作り、手作業での少量生産で高付加価値を維持していくのです。




私には若干、会長のイサンティーさんのマインドが弱いように感じた。
経営の第一線から離れているので仕方ないとは想うが、世界最強の中小企業の町 ミラノの会社とは思えない弱さが言葉の端々にでていた。

また今回の視察企業、イサンティ社の戦略で2つの疑問をもった。

  1. 会社の規模から考えると商品群があまりにも多いように思える。
    今後の世界的な競争など情勢を考えるともっとアイテム数を減らし得意な分野に特化すべきではないだろうか。

  2. 市場に合わせて価格帯も上位のモノと下位のモノとで構成されていた。
    大手ブランドメーカーが一般の方にも買いやすいよう得意分野から離れたところで携帯ストラップなどのようなアイテムを取りそろえているが、このような販売戦略を中小企業が限りある資源を投入していいのだろうか?

イサンティー社
得意のニッチ市場を攻めている中小企業
創造的なファッション性と品質で勝ち残る
少量生産で高付加価値を維持していく
その明確なビジョンは見習いたい








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